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ドラゴン桜 「東大に入れば人生が百八十度変わる」

157 名前:名無しさん:2005/09/30 12:34
>何度も面接を受ける若年層は学歴至上主義の社会において心理的に不安定な状態へとなっている。思うよう
>にいかない苛立ち、焦りから希望を持てず働かない若年層が増加しているのだ。
 まず、「何度も面接を受ける」と「学歴至上主義社会」の結びつきが不明です。東大卒業見込みの人間であ
っても、いやになるほど何度も面接を受けなければ就職はできません(理系の一部に推薦制度はありますがね)。
また、「学歴至上主義社会」というのは必ずしも現代日本の分析として正しくなく、教育社会学的には、日本
はむしろ他の先進国と比べて、学歴と生涯収入の関連性が小さい、という指摘もあります(苅谷剛彦教授など
を参照)。また、あなたのいう「学歴」とは、おそらく「学校歴」のことだと思いますので、その区別はしっ
かりしておいたほうが良いように思います。「学歴」とは、高卒か、大卒か、修士出か、といったことを指す
のが本義であるのに対し、「学校歴」は、偏差値の高い学校を出たか、ということを意味します。元東大総長
蓮実氏は、「日本はもっと学歴社会にすべきだ」という発言をしておられましたが、それは修士、博士に対す
る評価が外国と比べ相対的に低く、学士がのさばっていることへの危機感からです。

>何度も面接を受ける若年層は(中略)、思うようにいかない苛立ち、焦りから希望を持てず働かない若年層
>が増加しているのだ。
 取り付くシマもないような言い方になってしまいますが、面接ごときで神経衰弱になるような人間が、たと
え首尾よく就職できてもやっていけるのか、などと思ってしまいます。思うようにいかない苛立ちというの
は、逃げ場のない就職後のほうが大きいのではないかと想像するのですが・・・。

>その意思を持てない心理状態にある若年層には 社会的背景がある。
 極端な例になりますが、思うように就職ができないというのは戦前の混乱期の方が圧倒的にひどかったで
しょう。ではその時代は若者は就職への強い意思を持ち得なかったか?むしろ逆でしょう。仕事が無ければ即
一家そろって餓死ですから。意志の弱いニートを生む社会的背景というのは、安定した職を得なくても生きて
いけるという時代のことではないか、というのが私の見方です。要するに経済的に余裕のある時代の産物だ、
と。それに対して、政策をどうするか、というご質問ですが、私は「何もすべきでない」という回答です。
「馬を水辺にひっぱっていくことはできるけれども水を飲ませることは出来ない」ということわざがあります
が、ニートに何をやっても無駄です。定職を持たねば生きていけない状況を作らなければ動かないでしょう。
もちろんそのために「手に職をつける」職業訓練制度の充実は必要でしょうが、その制度を使うかどうかは
本人の意思と家族の厳しさに頼るしかありません。ニートの増加は、「大きな子供」を甘やかす現代日本社会
の家族文化にあります。文化というのは、政策論では解決できない、というのが私の持論です。政策論で無駄
にリソースを消耗するより、言論によって少しずつ是正されていくことを願うしかないな、と思っています。
その典型が「詰め込み教育」「ゆとり教育」でしょう。この変化は、政策より言論が先にあってこそではあり
ませんでしたか?

 最後に、ケンカを売るような言い方になってしまうかもしれませんが、教育論や社会論には、自分の受けて
きた「特殊な」環境を強引に一般化し、非論理的で自己正当化・自己防衛の主張でしかないものが数多くあり
ます。私もそのような事態に陥ってしまうことがありますが、言論の際にはそのようなシロモノになっていな
いかよくチェックされることをお勧めします。
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